「聞く力」を育てる
◎ 人の話を聞くことが苦手だと、学校、家庭、地域社会では、いろいろな不都合や困り感が生じます。そもそも、なぜ人の話を聞くことが苦手になるのでしょうか?
・聞いたことを記憶していくことに弱さがあって、長い文章や語句の聞き取りが苦手になる。
・一つ一つの音を意識し、単語を正確に聞き取ることが苦手で、聞き間違いが起こる。
・読んで理解することはできても、口頭で聞き取っただけでは、内容を理解しにくい。
・注意を集中させることが苦手で、きちんと話を聞こうとすることがむずかしい。
◎ では、支援や対応はどのようにしたらよいでしょうか?
・大人は、子供に話すときは、できるだけ短く簡潔な文にする。(言い聞かせたいとき、お説教をしたいとき、大事なことを伝えたいときなどは、長々とした文になりやすいですね)
・聞く力を育てるための指導では、伝言ゲームやスリーヒントクイズのようにゲ ーム形式やクイズ形式で、聞き取る練習を楽しく繰り返すようなものがあります。
◎ 聞く力そのものを直接高めるわけではありませんが、聞こうとする意欲や態度を育てることは、家庭でもできます。それは、「大人が子供の話をちゃんと聞いてあげること」です。
・子供は、身近な大人の影響を受けやすいです。自分の話を聞いてくれる大人が目の前にいるのですから、人の話を聞くことの絶好の「お手本」となりますね。また、「受け入れられている」「認められている」と感じることにより、コミュニケーションをとることへの意欲が高まり、その結果、人の話を聞く意欲や能力を育てることにもつながります。
・大人が子供の話を聞くことの効果は、聞こうとする力を高めること以外にもあります。子供の話を、「共感して」「否定せずに肯定的に」聞くことによって、認めてもらえた安心感や喜びを感じるようになり、自己肯定感も育てられます。その積み重ねで、学習、友達関係、生活、将来への意欲や自信につながっていきます。
◎ 携帯電話、ゲームなどによるコミュニケーション手段が多くなり、人の話を生でじっくり聞いてやり取りする機会が減っています。大人たちも大変忙しい身ですが、できるときに、気 付いたときに子供の話をじっくり聞く時間を作ってみてください。