勉強中に姿勢が崩れやすくなる
◎子供が勉強をするときに、
・気が散って、他のことをやりながら勉強する
・机に伏せる、椅子をガタガタさせる、手足をそわそわ動かす、背中がぐにゃっとなる
・おしゃべりが始まったり、物をいじったりする
などが見られることがあります。だいたいこのようなケースでは、姿勢も崩れやすくなります。
◎姿勢が崩れている子供を見ている大人は、
「やる気がない」「態度がわるい」「だらしがない」 とみなされ、
「姿勢がわるいから、勉強がはかどらない」と考え、
「姿勢がわるい!」「姿勢を正しくし なさい!」と、子供に注意することがあるでしょう。
◎ところが、これは多くの場合、意欲や態度の問題が原因ではないのです。姿勢が崩れやすい子供は、もともと
・筋肉の張り具合や関節の動きや角度を感じ取ることの弱さ
・手足の動きの調節の苦手 ・筋肉をちょうどよい強さにコントロールすることの苦手さ
・体のバランス感覚の弱さ
が見られ、自分の体の各部位の動きや状態を感じ取ることが苦手なのです。そのことで、姿勢を保つこと が難しくなり、姿勢が崩れやすくなる大きな原因になります。
◎姿勢が崩れることは、子供の努力ではどうにもならないことなので、「やる気がない」「態度がわるい」 「だらしがない」などと指摘され続けると、それこそ本当に意欲や自信を失ってしまいます。
では、対応はどうしたらよいでしょうか?
◎姿勢が崩れることへの対応は…
〇勉強中に姿勢が崩れることについて、あまり多く指摘しすぎると、姿勢を正しくすることが目標になってしまい、かえって勉強に集中できなくなる場合があります。
対策は、かなり大目に見ることです。どんな姿勢、どんな格好でも、時折集中が 途切れても、だいたい勉強していればOKとすることです。 勉強することの目標は、学ぶこと、宿題などの課題を仕上げることで、姿勢を正しくすることではありません。
〇「でも、そうは言っても、良い姿勢でいてほしい」...と願う方もいるでしょう。
身体や感 覚機能を高め、良い姿勢を保持しやすくする専門的な運動の仕方はありますが、ここでは、身近で取り組める対策の例を御紹介いたします。
・ブランコ、滑り台、トランポリンなどの遊び (ふだん経験しない姿勢の変化や動きを体験できる、 揺れや加速度などの感覚刺激、不安定な体勢を経験できる)
・アスレチック遊び、ジャングルジム(全身を使った動き、手足の動きの連動、バランス、手足の力の入れ方の加減)
・思いっきり全身を使った運動や遊び、全力を出す運動
・食器を運ぶ、重いものを運ぶ、その他のお手伝い (ゆっくりな動きでバランス感覚と筋肉の緊張の調整) ※片手を「グー」にして、自分の背中につけると、自然に背筋がまっすぐになりますよ。一時的ですが…