「もっとできるかも…?」

2022年02月02日

◎ 子供が苦手にしている学習課題や宿題を、頑張ってやり遂げると、私たち大人はとても嬉し くなります。そして、「この調子なら、もっとやらせれば、もっとできるようになるだろう」「もっと難しい課題をやらせれば、もっと力を伸ばすことができるだろう」と、子供の成長を願って、「もっと量を増やせば」「もっと難しいものにすれば」、もっと学力が 伸びるだろうと、大人の期待が高まります。 

◎ しかし、ここに"落とし穴"があります。

例をあげます。

 ◇ 登山で頑張って頂上までたどり着いて、ホッとしていたら、実は そこは山頂ではなくて、その先にあるあの高い山が山頂だった。

 ◇「グランドを 10 周走る」という課題をクリアして、「やっと終わった!」 と、ゆっくり休んでいたら、「もうあと 2 周走りなさい」と言われた。 

この2つの例。気持ちがげんなりするし、「もう、いやだ!」となりますよね。学習の場面、 特に苦手な課題に取り組んでいるときや、やる気はないけど無理に気持ちを立て直して取り 組んでいるときなどで、同じことが言えます。「やっとできた! やっと終わった!」と思ったのに、もっと「やれ!」と言われたら一気に意欲をなくしてしまうことになるかもしれませんね。 

◎ 学習することに苦手感をもっている子供の場合、一度にたくさん無理に頑張らせすぎて、心 身共に疲弊、消耗させて、「もうやりたくない!」と思わせるよりも、余力をもって少しずつ継 続させるほうが効果が上がります。

 ◇ どれくらい頑張ったらよいか、見通しやゴール、範囲がわかっているほうが、取り組みやす くなります。(ゴールのわからないマラソンを走り続けるのはきついですよね)

 ◇ たとえ余力があっても、時間が余っても、追加することなく、はじめに決めたゴールや範囲 で終わりにすること。「できた!」「やった!」という達成感で締めくくります。 

◇「えっ⁉ これだけ⁉」「ぼく、もっとできるよ」と、余力を残したところで終わると、 「次」につながりやすくなります。

 ◇ 大人が手伝って、子供といっしょにやってもよいでしょう。とにかく「やった」という事実は残りますし、手伝ってもらっているので余力も残っています。 

学習は「量」ではありません。「意欲」「モチベーション」「少しずつの達成感」「継続」「習慣」が大切です。