「褒めて育てましょう」と言われるけれど・・・

2021年09月15日

◎ 専門書やテレビなどでご存じの通り「子供を褒めて育てましょう」ということをよく聞きます。しかしこれがなかなか難しいもので、理想通りにはいかないのが現実のようです。

◎ 毎日子供と顔を突き合わせ、その上日常の雑多なことに追われていると、子供の気になることや直したいところばかりが目について、「いらいらしてつい怒ってしまう」「とてもじゃないけど褒めるなんてできない」という声が親御さんから多く聞かれます。なかなか子供を褒められない自分を責めてしまっている保護者の方もいるでしょう。

◎ 『できた→褒める』。これで意欲が高まる子供もいますが、特に苦手なものが多い、自信があま りないと感じている子供たちにとっては、「どうせ僕はできないから...」と、かえってハードルが 高くなり、ますます意欲をなくしてしまうことがあります。「どんなに頑張っても、(褒められる 基準に)追いつかない」。結果だけにこだわり、"結果主義""成果主義"になると、「どうせダメ だから...」 「もう頑張らない」 「もうやらない」 となりやすくなります。

◎ では、私たち大人はどうしたらよいでしょうか。

① 結果ではなく、途中のプロセスに注目し評価する。 結果がともわなくても、努力したこと、一生懸命やったことは褒める。 「一生懸命やったね」「頑張っているね」「あきらめなかったね」「我慢したね」など
② 100%の完成度を求めるのではなく、10%でも20%でも「できたところ」「やったところ」までを評価する。
③ 途中の経過に対して、行動や気持ちについて言葉かけをする。 「やっているね」「楽しそうだね」「もう少しで終わるね」など
④ (言葉を使わなくても)子供の笑顔には笑顔で返す。「ありがとう」を多く使う。
⑤ 無理に褒めることを探して大人が疲れ果てるより、気づいたときに声かけすればよいくら いに思っているほうがよいでしょう。

◎ 直接的に褒められなくても、自分のことを「見ていてくれている(見張っているではありませ ん...)」「気づいてくれている」「大切に扱われている」と子供自身が感じられることで、安全・ 安心が満たされ、「やってみよう!」「頑張ってみよう!」「チャレンジしてみよう!」というエ ネルギーになっていきます。(東京都小学校指導教諭)

同様に「100点とってえらいね」などもあまり良くないですね。「がんばっている過程」を褒めたいものですね。(禿)